(2016年7月19日からカウント)
◎(別項1)「TPPはいらない!8・27緊急集会」での全国農協中央会農政部長の小林寛史さんの発言全文
2011年8月27日に都内で行われた「TPPはいらない!8・27緊急集会」で来賓あいさつした全国農協中央会農政部長の小林寛史さんの発言全文は次のとおりです。
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ただいま、ご紹介い ただきましたJA全中・全国農協中央会農政部長の小林でございます。本日、「TPPはいらない!8・27緊急集会」にご参集の、これだけ多くのみなさまに、一言、ごあいさつを申し上げたいというふうに思います。菅内閣が昨年10月に打ち出しましたTPP、これは、わが国農林水産業や関連産業をはじめ、地域の雇用と経済、社会の崩壊を招くものであります。改めて断固、反対の立場を表明するものであります。(拍手)とくに、食料自給率を50%まで引き上げるとした、わが国の食料・農業・農村基本計画とTPPを両立させることは、絶対に不可能であり、食料安全保障は確保できなくなります。TPPは東日本大震災により、壊滅的な被害を受けた農林水産業、地域の雇用、経済社会をさらに痛めつけるものであり、即刻、参加は断念すべきであります。(「そーだ」の声)
多くの国民の声を無視して、一部の関係者がTPP参加促進の動きを広げていることは、言語道断であり、先人が守り続けてきた美しい国・日本を、簡単に海外に売り渡そうとしているとしか考えようがありません。
わが国は瑞穂(みずほ)の国であります。国土の隅々まで、美しい農産漁村が展開し、領土が保全されております。そして、そこに住む人々が伝統文化、地域経済、社会を維持してまいりました。こうして形成された瑞穂の国・日本の伝統的な価値観、文化、そして、風土が市場原理主義によって害されることは、将来の世代に対して、申し開きすることのできない禍根を残すことにつながります。(拍手)
JAグループは、わが国の集落や農地の実態に応じて、資源を最大限に活用する持続的な農業の展開をすすめるとともに、地域のライフラインとしての役割発揮に全力をあげていきたいと思っております。同時に、政府が交渉参加への断念に至るまで、TPP交渉への参加に反対する運動を全力をあげて取り組んでいく所存であります。(拍手)
以上を申し上げ、本集会におけるあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。(大きな拍手)
(経済ジャーナリスト・今田真人=2011年8月27日記)