食品などの精密な放射能分析が可能に
農民連が「ゲルマニウム分析装置」導入

国民からの募金7000万円で実現
見学会・レセプションに各界の代表参加

 農民運動全国連合会(農民連、白石淳一会長)は2012年5月26日、東京都板橋区の農民連食品分析センターで、「ゲルマニウム半導体検出器」1台や「Nalシンチレーション測定器」3台など、新しく導入した放射能分析装置の見学会を行い、全国から約50人が参加しました。このあと、見学会参加者や各界代表も招待し、都内の会場で、同分析装置導入記念のレセプションを開催しました。
 この分析装置は、昨年3月の福島第一原発事故による農産物・食品の放射能を農民・国民自身が検査できるようにと、国民から7000万円近くの募金を集め、導入したものです。
 見学会では冒頭、農民連食品分析センター所長の八田純人さんが講演しました。
 八田さんは、1995年の世界貿易機関(WTO)の発足など、輸入農産物の安全性への国民的不安の高まりの中、農民と消費者の募金で1996年に設立された世界的にも珍しい同センターの生い立ちを紹介。この間、中国産の冷凍ホウレンソウの残留農薬を初めて検出し、マスメディアに大きく取り上げられて、政府の食品検疫を強化させたことなど、同センターの実績を話しました。
 そのうえで、昨年の福島第一原発事故を機に、原発ゼロ、脱・原発をめざし、国内農産物などの国民自身による放射能検査施設をつくろうと、募金による放射能分析装置の導入を決めたことを強調。国産の分析装置がないなか、フランス製の装置を購入するため、全国労働組合総連合(全労連)を通じて、フランスの労働組合CGTの全面協力を取り付けた経過も説明しました。
 また、今年3月に、重さ1・3トン近くの「ゲルマニウム半導体検出器」を、同センターが入っている病体生理研究所の建物3階に設置した際の苦労話も披露。クレーンを使って男性11人で1日かけて搬入するなどのエピソードをユーモアをまじえて紹介しました。同検出器は1台2300万円のフランス製で、食品などの放射能分析をきわめて精密に行うこうとができるということでした。
 見学会のあとのレセプションでは、スライドを使った同検出器導入の経過説明も行われ、全労連や全日本民主医療機関連合会(民医連)、新日本婦人の会(新婦人)、全国商工団体連合会(民商)、日本共産党、原水爆禁止日本協議会(原水協)などの代表が次々とあいさつし、お祝いの言葉をのべました。
   (経済ジャーナリスト・今田真人=2012年5月26日記)

 ☆会場で配布された説明資料(PDF)
       ・カラーパンフ4ページ @ABC
       ・モノクロの説明資料8ページ
           @ABCDEFG

 ☆見学会・レセプションをビデオで撮影したもの
  ★分析センター見学会@
  ★分析センター見学会A
  ★分析センター見学会B
  ★分析センター見学会C
  ★レセプション@
  ★レセプションA

 

見学会で講演する八田純人さん(立っている男性)=5月26日、東京都板橋区の農民連食品分析センター     

 

見学会参加者に放射能分析装置による検査手順を説明する農民連食品分析センターの職員(左の白衣の男性2人)=5月26日、東京都板橋区の農民連食品分析センター

「ゲルマニウム半導体分析装置」の前で見学参加者に説明する八田純人さん=5月26日、東京都板橋区の農民連食品分析センター

各界代表を招いて開催された記念レセプション=5月26日、東京都豊島区の会場
 

トップページに戻る