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クマラスワミ報告を読む(2016年1月18日〜24日のツイート再録)


〈参考〉


共産党は「評価」しているが、八方美人すぎる。共産党の名前が泣いている。日本政府の謝罪は闘いで勝ち取るもの。被害者無視の妥協を評価してどうするのか。 〜澤藤統一郎の憲法日記「『従軍慰安婦』問題 国家間での合意が真の解決ではない」 article9.jp/wordpress/?p=6


赤旗の早朝配達を終えて、紙面を見てびっくり。慰安婦問題の日韓合意を厳しく批判する大森典子弁護士のインタビューを大きく載せている。記事内容は全面的に賛成だが、「日韓合意を評価する」という党の見解には言及せず。なぜ自己批判しないのか。




大森典子「慰安所の…女性の募集などは軍が『主体』になって行ったということも共通認識となっています。それなのに今でも…安倍首相も官憲による強制連行を示す記述はなかったとの閣議決定を維持するとの言動などが続いています」。そこまで言うなら吉田証言の名誉回復をしたらどうか。赤旗、ご乱心。


吉田証言は、秦郁彦の韓国・済州島の現地調査で、強制連行被害者の証言が得られなかったという理由で虚偽と断定された。その調査を肯定した朝日が吉田証言を取り消し、赤旗も追随。しかし、その強制連行が事実だというなら吉田証言は正しいと考えるのが道理。赤旗はこの単純な理屈もわからないらしい。


共産党大阪府委員会の、わたなべ結という人物、赤旗の検証記事や吉見義明氏でさえ言ってない「虚偽」という言葉を使っている。破廉恥きわまりない。〜「『吉田証言』が虚偽であることは、研究者の中では早くから常識になっていました」
www.jcp-osaka.jp/seisaku/2622


「強制連行」について、被害者の証言や多くの調査・研究を根拠に事実だと主張するなら、加害者の証言も正しいと認めなければいけない。「自分で調べようともせず、都合の悪い事実はいっさい無視し、借り物の議論を展開しているだけ」なのは誰なのか。
www.jcp-osaka.jp/seisaku/2622


吉田証言を虚偽呼ばわりする共産党関係者は、クマラスワミ報告(28項〜30項)をまじめに読んだらどうか。「元慰安婦の多くは、連行される過程で暴力や強制が広く行われていたことを証言している。さらに強制連行を行った吉田清治氏は…」云々。
www.awf.or.jp/pdf/0031.pdf


〈以下が、本文〉


クマラスワミ報告を読む。@(11項)「日本軍のための出張売春婦を提供する『慰安所』は、日本と中国の戦争が始まった1932年という早い時期から上海に設置された」「最初に軍の性奴隷となったのは日本の北九州出身の朝鮮人で、日本軍の1司令官の要請を受けて、長崎県知事が送り出したのである」


A(15項)「1932年に制定された国家総動員法は、戦争末期の数年までは全面的に施行されなかったが、日本政府がこの法律を強化するにいたり、男性も女性も戦争に協力することを求められた。これとの関連で、表向きは日本軍を助けるため工場で働いたり、(続く)」


B「(続き)その他の戦争関連の任務を遂行する女性を徴用するという目的で女子挺身隊が設立された。だが、これを口実に、多くの女性が騙されて軍の性奴隷として働かされることになり、挺身隊と売春との関連はすぐに広く知られるようになった」


C(16項)「最終的には日本人は暴力を使ったり公然と強要して、高まる軍の需要を満たす女性を集めることができたのである。非常に多くの女性被害者が、娘を連行されるのを阻止しようとした家族に暴力が加えられたと語り、時には無理矢理連れて行かれる前に(続く)」


D「(続き)両親の目の前で兵隊にレイプされたと言う。ヨ・ボクシルについての調査によれば、彼女も多くの少女と同様に家で捕えられ、娘を取られまいと抵抗した父親が暴行されたあげく連れ出されたという」


E(26項)「戦争末期になると、…リクルートの過程はますます当局が責任をもつようになった。だが、日本政府は最近まで強制徴用や二枚舌で役割を果たしたことや、実際にリクルートする責任を負ったことを認めようとしなかったため、(続く)」


F「(続き)軍事的性奴隷として働く女性を集める過程の情報は、もっぱら被害者自身の説明に基づくものである」(27項)「しかし、すでに述べたように、元『慰安婦』の話は非常に豊富で、納得できる明確な説明を与えている。そこで語られるリクルートの方法には(続く)」


G「(続き)3つのタイプがある。すでに売春婦となっていて自分から志願した女性の徴用、レストランの仕事や軍のコック、洗濯係など給料のいい仕事があると言って女性を引きつける、日本の支配下にある国々で奴隷狩りに等しい大がかりな強要と暴力的誘拐を使って女性を集める」


H(28項)「さらに沢山の女性を集めるために、軍に協力する民間業者や、日本に協力する朝鮮人警察官が村を訪れ、いい仕事があるといって少女たちを騙した。さもなければ、1942年までは、朝鮮人警察官が村へやってきて『女子挺身隊』を募集した。(続く)」


I「(続き)これによって日本政府が認める公式の手続きになると同時に、ある程度強制力も持ったのである。『挺身隊』に推薦された少女が出頭しない場合は、憲兵隊ないし軍警察がその理由を調査した。(続く)」


J「(続き)実際、『女子挺身隊』によって日本軍は地元の朝鮮人業者や警察官を利用して、地元の少女にウソの口実の下に『戦争協力』するよう圧力をかけたことは、すでに述べた通りである」


K(29項)「それ以上にまだ女性が必要とされた場合は、日本軍は暴力的であからさまな力の行使や襲撃に訴え、娘を誘拐されまいと抵抗する家族を殺害することもあった。こうしたやり方は国家総動員法の強化でさらに促進された。(続く)」


L「(続き)1938年に成立したこの法律は、1942年以降はもっぱら朝鮮人の強制連行のために使われたのである。元慰安婦の多くは、連行される過程で暴力や強制が広く行われていたことを証言している。(続く)」


M「(続き)さらに、強制連行を行った1人である吉田清治は戦争中の体験を書いた中で、国家総動員法の一部である国民勤労報国会(労務報国会の誤訳か)の下で、他の朝鮮人とともに千人もの女性を『慰安婦』として連行した奴隷狩りに加わっていたことを告白している」


N結論。「慰安婦」の徴集(リクルート)に関わる記述を、延々と引用してきたが、きりがないので止める。要するに同報告は、全体の多くを割いて、徴集が官憲による強制であったかどうかの分析をしている。その中で吉田証言が肯定的に評価され、強制連行だったと結論しているのだ。


O「歴史的背景」と題された分析の本論は全部で33項目で、「慰安婦」徴集の分析は17項目。全項目の52%を占める分析が徴集に当てられたのは、強制連行を日本政府があくまで認めようとしていないからだ。しかし、同報告の結論は、強制連行だったというものだ。


P吉田証言を葬りたい勢力は、同報告で吉田証言に言及しているのは数行だとか、子どもだましの屁理屈を弄している。しかし、いつまでも国民は騙されてはいない。日本語訳(アジア女性基金訳)しかないがぜひ、読まれたい。www.awf.or.jp/pdf/0031.pdf


Q言葉の上で「強制連行はないとか、クマラスワミ報告は正当性がないとの主張は到底成り立つものではありません」と言いながら、「『吉田証言』が虚偽であることは、研究者の中では早くから常識になっていました」 などと平気で主張する某政党の関係者は恥を知れと言いたい。


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