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有田芳生スルー問題から見えてくるもの(2016年5月24日〜)
             (フリージャーナリスト・今田真人)


「赤旗」本日付2面の訂正記事。「欠落しました」はないだろう。担当記者のセクト主義もおぞましいが、この1面記事をそのまま掲載した編集局指導部と、1面試刷りを事前に見ている某委員長も同罪。除籍者への理不尽な扱いの氷山の一角だけどね。
(5月24日のツイート)




「赤旗」5月23日付1面。えときの「1人おいて」とは「この人物だけは応援するな」という悪意ある率直な意味だ。有田芳生氏が今夏の参院選の民進党比例候補者であることを知った上での確信犯的紙面。「名前が欠落しました」という訂正記事を笑う。




今度の「1人おいて」事件で、有田芳生氏が日本共産党から除籍された過去のいきさつにふれたツイート。有名な『日本共産党への手紙』を編集出版した「責任」を問われた。異論の表明を党からの追放という方法で抑圧する、同党の体質を象徴している。
            ◇
有田芳生?@aritayoshifu 5月23日オウム事件直前に書いた「哀しい日本人と日本共産党」(「週刊金曜日」1995年3月10日号)を紹介します。




《リツイートした参考ツイート》
有田芳生 ?@aritayoshifu 5月23日
『日本共産党への手紙』を出して査問され、組織を離脱したのは、1990年。加藤周一さんたちから頂いた共産党への注文は、いまも間違っていない。「1人おいて」記事で思い出しました。最後までかばってくれたのが、上田耕一郎さんと吉岡吉典さん。


《リツイートした参考ツイート》
有田芳生 ?@aritayoshifu 5月23日
共産党歴66年の父・有田光雄が「赤旗」編集局長にあて「1人おいて」記事について、党規約第5条6項に基づいて質問を出したことを知った。回答は、あくまでもミスで通すつもりだろうか。ミスではない。組織の問題であり、根源的には思想の問題である。


《リツイートした参考ツイート》
有田芳生 ?@aritayoshifu 5月23日
「1人おいて」のこと(2)。そこに人がいるのに「1人おく」のは、「いる」けれど「いないことにする」との明確な意思だ。ミスではなく思想の問題というのは、そうした意味。哲学者の古在由重さんからは、思想とは何も難しいことではなく、それぞれの振る舞いのことだと教えられた。


「1人おいて」事件で、えとき欄のスペースが問題になっている。それは木を見て森を見ない指摘だ。記事本体には有田芳生氏の名前を書くスペースはいくらでもある。しかも共産党議員の名前は繰り返し書かれている。ケアレスミスでないことは明らか。


「1人おいて」事件で問題なのは、党除籍者を党機関が無視し排除することが、社会的に許されるかどうかということ。党から追放されれば、元党専従者は党関係の職場から排除され、家族ともども路頭に迷う。「社会主義国」ではめずらしくないが、現社会でも元党専従者を雇う民間企業はめずらしい。


「1人おいて」事件では、党除籍者を「赤旗」でどう報じるかが問われた。異論の表明で除籍された先輩記者がその後、どのような「社会的制裁」を受けるか。後輩記者はそれをかたずを飲んで注目し「学ぶ」であろう。こうして上からの指示に忠実な「単細胞記者」や「面従腹背記者」が大量生産されていく。


「写真のキャプションの字数には限りがあるから外した」。赤旗編集局は噴飯ものの説明をしていたのか。唖然。すでに反論はしておいたが…。j-cast.com/2016/05/242676


《リツイートした参考ツイート》
有田芳生 ?@aritayoshifu 5月23日
気づかれましたか。ありがとうございます。今朝この記事を見て思ったのは、やはり「組織の論理」なのだということでした。他党の立候補予定者だからでしょう。でもそれをいえば山尾さんもそうなんですけどね。あえていえば度量の問題です。


改めて読む価値のある本だ。有田芳生氏が日本共産党を除籍される理由になった著作でもある。

【アマゾンの注文先の紹介】




日本共産党、16年前と少しも変わっていないな!〜必見、有田芳生氏の論考「哀しい日本人と日本共産党」 web.archive.org/web/2007121422


《リツイートした参考ツイート》
有田芳生 ?@aritayoshifu 5月23日
さっ、渥美清さんの「泣いてたまるか」を頭のなかで流しながら帰ろう。言い訳などいらない。思想史家の藤田省三さんから言われた「あなたは小さな全体主義を経験したんだから」という言葉を思い出しています。ミスではない。思想の問題だ。


《リツイートした参考ツイート》
ANTIFA758 ?@Antifa758 5月23日
(1人おいて)は「名前が欠落しました」っていうミスではないでしょうよ… 共産党の無自覚な思い上がりはすごく嫌いだ。


「赤旗」5月27日付。「本紙としては、あってはならないことでした」「デスク作業のなかで起きたミス」。有田芳生氏を写真えときから削除した記事の反省記事。読者が知りたいのは、なぜ「あってはならない」かではなく、なぜミスしたのか、だけど。




このツイート(すぐ上の私のツイート)の視聴回数が現在、1,040回に。リツイート回数は少ないが、見ている人は多いということ。野党共闘の方針が本物かどうかの試金石。党を除籍された人を、その後もパージし続けるなら、かのスターリンと大差なくなる。ねっ、不破さん。
(6月2日のツイート)


すばらしい紙面だ。涙が出る。関係者に心から感謝。「赤旗」本日付15面。「『ヘイトスピーチをなくすため党派を超えて頑張ろう』と訴える(前列右2人目から左へ)福島、畑野、有田の各氏ら」。
(6月6日のツイート)




本日付「赤旗」に愕然。「Q/民主集中制は異論を許さない?」「A/少数意見も大事にし、民主的な議論をつくすルール」。中でも「党大会は…誰であっても、どんな意見でも…公表される」に唖然。誰でも知っているけど、異論が公表された事実はない。
(6月11日付のツイート)




直前の26回党大会では、決議案への意見集が1回発行された。それは党外には非公開であり、支部長の私は地区事務所まで行って購入した。大会に向け「大運動」の先頭に立っていた私も批判意見を出したが、大会まで1カ月近くあるのに締切が過ぎたといって掲載されなかった。


有田芳生氏の経歴。「党員だった私は、この単行本を出すことで、規約違反の容疑があると査問を受けた。…こういう単行本を出すことが『党員としてふさわしくない』との判定を下され、共産党から除籍された」web.archive.org/web/2007121422


有田芳生編『日本共産党への手紙』(1990年、教育史料出版会)を読む@「科学的真理の審問官としてではなく、党内外の研究や意見に学んでの、…社会的弱者のための、…護民官としての活動に、大いに期待」(加藤哲郎)。収録された15人の識者の提言がすばらしい。


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むA「内外のさまざまな意見や批判に耳をかたむけず、これまでしばしばみられたように、『反党分子』や『分派』のレッテルはりや異端審問的反論・人身攻撃…がつづけられるようであれば、…衰退の道をたどるしかない」(加藤哲郎)


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むB「『排除の論理』は民主主義の敵である」「『愛は寛容にして驕らず高ぶらず』『七たびの七十たび、人を許せ』というキリストの訓えを想起しつつ、つまずきやすく、まちがいやすい庶民と手をたずさえて…私の願い」(黒田了一)


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むC「民主集中制というのはレーニンが権力掌握と革命遂行過程、次いで反革命阻止の必要から採択した組織的措置だった」「民主集中制の独り歩きは個人独裁や家父長制的専制の温床となりやすい内在的要因をもつ」(清水慎三)


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むD「理論や学問というものは、党の指導者だから正しいということにはならない」「取り入れるべきことは批判する相手からも学ぶべきなのです」「同調者を自分たちの周りに集めるのが統一戦線ではありません」(新村猛)


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むE「ある作家、老大家といっていいある人に共産党に寄せる言葉をインタビューで語ってもらえないかとお願いしたところ、ガチャンと投げつけるように電話を切られた。…そこには憎悪だけがあった」(松岡英夫)


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むF「共産党は人になぜこのような憎悪だけを与えるのか。なぜ人を憎み、人に恨まれるのか。これについて住井すゑさんは『近寄ると切られるような気がするから、近寄らない方がいい、という感情が大衆にはある』と」(松岡英夫)


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むG「人触るれば人を斬り、馬触るれば馬を斬るである。大衆を味方につけ、大衆とともに党勢力を拡大していこうという政党が、斬人斬馬のひと切り政党では、人はこわがってちかづかない」(松岡英夫)


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むH「『迷っているだろう、苦しんでいるだろう、だから今こそ適切な忠言を与えて、この党を元気づけよう』――この本に収録されたほとんどの文章の根底に流れる意思…。…共産党はありがたいと思わなければなるまい」(松岡英夫)


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むI「斬人斬馬剣で切りまくり、排除の理論だけで押していても、なお多くの知識人や除名被害者がこの党を愛し、この党の健在を願っている。…この党はそれに甘えてはいけない」(松岡英夫)


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むJ「党の決定にしたがわない者は切って捨てるということは、日本の政党のなかで共産党だけに特徴的にみられる現象である。収録された手紙のなかでも、稲葉三千男氏、星野安三郎氏、日高六郎氏がこれに触れている」(松岡英夫)


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むK「日本の知識層の相当部分が日本共産党のこの点に疑問を感じ、改革を求めていることが推察される。日高氏は特に中野重治、国分一太郎、野間宏の三氏の名をあげて、これらの人びとの除名からの復権を求めている」(松岡英夫)


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むL「そして日本共産党の唱える『自由と民主主義』とはいったいなんだと問うている。自由と民主主義を主張して、中身が自由でも民主主義でもないならば、自民党と同じではないかとまでいう」(松岡英夫)


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むM「星野安三郎氏は、自由と民主主義を党の内部から確立していっていかないから党勢力が伸びていかないのではないかという。このような多くの批判を浴びながらも、日本共産党が斬人斬馬方式を改めないのは(続く)」(松岡英夫)


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むN「(続き)…党成立の本質的構造にあることがわかる。それは…民主集中制という党運営の基本原則から出ている」「(加藤周一氏の引用)『マルクスの思想は、真理の体系ではなく、真理への道程であり』」(松岡英夫)


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むO「私の尊敬する政治家は『その民族がどのような共産党を育てるかは、その民族の運命に関わる』と常々語っていた。ソ連・東欧の歴史的な政治動向は、そのことを全世界の人々に劇的に明らかにした」(有田芳生)


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むP「こういう時期に、この日本という国の共産党は国民の目にどのように映っているのだろうか。そのことを常日頃、共産党に関心を注いでいる人たちに、なにものにもとらわれず遠慮なく発言してもらう、(続く)」(有田芳生)


有田芳生編『日本共産党への手紙』を読むQ「(続き)少なくともいまそうした場がない以上、発言の機会を設定することにも意味があるだろうーーこういう問題意識で編集したのが本書である」(有田芳生)


日本共産党を批判する者は「自民党からお金をもらっているから」「自民党の息がかかっている」としか思えない狭量な共産党支持者?がいらっしゃったか。絶滅危惧種に登録できるかも。(笑い)


いまだからこそ批判が大事と思っています。選挙で大勝すれば、批判には耳を絶対に貸さない党なら、なおさらです。あしからず。


大勝しても敗北しても、ということです。選挙戦の中だからこそ、国民の批判の声をまともな政党なら聞かざるをえないし、それを受けて自己改革ができるチャンスだと思います。自己改革できない政党に未来はない。


有田和生 ?@ka1206 6月11日 誤解を生まぬようもう一言。共産党が本当に大きく育っていくには批判に耳を傾けられるようにならなければと思っています。彼らが人を切り捨てる時の言葉は共通しているんですよ。「反共」って。兄が赤旗で過去に書かれたのは「反共を売り物にする」でした。


有田和生さん。いつもありがとうございます。芳生さんのツイートはいつも拝見していますし、除籍されたときの党中央のしうちに心から憤っています。共産党は芳生さんに行った心無い行為を真摯に謝罪し、国民から信頼されるまともな国民政党に脱皮してほしいと心から願っています。


有田芳生氏の言葉「職業的な革命家で一生を過ごすという…その思いを断ちきられた日。人生はこれで終ったと思い込み、深く深く落ち込んだ私だったが、そのことがうれしくてたまらない人たちがいたことを私は忘れない」
web.archive.org/web/2007121423


ここで、クエッション。有田芳生氏の言葉「組織から離れた人間を『敵』扱いし、市民生活の最低限のルールである敬称さえ付けない集団」とは、なんでしょう?
web.archive.org/web/2007121201


私の悲痛な体験と重なる。有田芳生氏の言葉「『共産党本部勤務員にふさわしくない』と烙印をおされて84年に新日本出版社を退職した私は、二つの出版社を経てフリーランスでモノを書く仕事を選んでいた」
web.archive.org/web/2007121423


査問をする組織に民主主義はない。「精神をとことん萎縮させる査問など2度と経験したくなかった。83年の査問からすでに7年の時間が過ぎ去ったにもかかわらず、心に刻まれた傷は癒えていなかったからだ」(有田芳生)
web.archive.org/web/2007121423


有田芳生編『日本共産党への手紙』の秘話。「小田さんは厳しい口調で言った。『オレは共産党に不信感があるんだよ』」「佐多稲子さん…『手紙』のことで、とひとこと言っただけでいきなり電話を切られてしまった」
web.archive.org/web/2007121422


私の立場も有田氏と同じ。「査問がはじまった。…もっぱら規律違反だから自己批判せよとの要求だ。私の立場はただひとつ。間違ったことはしていない、…共産党のために行った仕事だ、…自己批判など絶対にしない」
web.archive.org/web/2007121422


有田芳生氏の上田耕一郎評が秀逸。人気のある共産党幹部の共通した保身術。「『いま除籍との連絡がありました』。そう言うと上田さんはこう言った。『だからやめろと言っただろう!』。私は唖然として言葉もなかった」
web.archive.org/web/2007121422


有田芳生氏の共産党評に共感する。「人間論の欠如こそ共産党の最大の欠陥だと私は心の底から確信している」
web.archive.org/web/2007121422


有田芳生氏の公式ホームページ「今夜もほろ酔い」がおもしろい。
web.archive.org/web/2007113005


選挙中だからこそ「共産党はこわい」という国民の不安・疑問に真剣に答えるべきだろう。「2人の査問官。…幹部の1人が蛇のような眼をして追及してくれば、もう1人は穏やかに『どうだここで一服』とたばこを差し出してきた。…まるで刑事の取り調べといっしょ」


前記の「2人の査問官」の話は、有田芳生氏が日本共産党から受けた2つの査問のうち、「本部勤務員にふさわしくない」と、職場(党本部勤務員)を追われることになった、最初の査問のことである。念のため。
web.archive.org/web/2007121323



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