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(2017年3月3日からカウント)


日本共産党の「少女像」問題への見解批判(2017年2月6日~3月2日のツイート再録)
 (経済ジャーナリスト、今田真人)


(総リード)
 第27回大会決議で異論を封じ込めた日本共産党だが、その見解に早くもほころびが生じている。


①共産党の責任者に聞きたい。昨年、赤旗は「党大会は…誰であっても、どんな意見でも…公表される」という記事を載せたが、その意見集は「公表」されましたか。こんな大事なことをいまだに誰も問題にしないことに驚愕。

《参考》
【2016年6月11日の私のツイート】
本日付「赤旗」に愕然。「Q/民主集中制は異論を許さない?」「A/少数意見も大事にし、民主的な議論をつくすルール」。中でも「党大会は…誰であっても、どんな意見でも…公表される」に唖然。誰でも知っているけど、異論が公表された事実はない。



【2016年6月11日の私のツイート】
直前の26回党大会では、決議案への意見集が1回発行された。それは党外には非公開であり、支部長の私は地区事務所まで行って購入した。大会に向け「大運動」の先頭に立っていた私も批判意見を出したが、大会まで1カ月近くあるのに締切が過ぎたといって掲載されなかった。


②ウソつきは泥棒の始まり。念のため。


③もちろん、答えは赤旗紙面でね。公然と言ったことが間違いなら、公然と謝罪・訂正するのが筋。 ~日本共産党「誰であっても、どんな意見でも、誹謗(ひぼう)中傷に属さないかぎりは公表されるようになっており…」
jcp.or.jp/akahata/aik16/


【共産党は依然として27回党大会決議案への意見集を公表していないが、その後、あるルートで入手したので以下内容の一部を紹介する】
④27回党大会決議案への意見集から。「全体として素晴らしい決議案だと思うが、日本軍『慰安婦』問題についての記述に異議を唱える。2015年12月の日韓外相会談での合意を問題解決の出発点としているのは誤りであり、あくまで河野談話を出発点とするべきだと考える。(続く)」


⑥「(続き)よって、『しかしこの合意はあくまで問題解決の出発点であり、』を『しかしこの合意は真の問題解決につながるものではなく、』に改め、『日本政府は韓国政府と協力して』を『日本政府は国際社会と協力して』に改めることを提案する」(東京都の女性党員)


⑦「決議案第3章(19)『侵略戦争を…』に、次の記述を追加してください。『日韓両政府による「慰安婦問題合意」(2015年12月28日)について、元「慰安婦」を支援している挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会)は、(続く)」


⑧「(続き)『財団を設立することでその義務を被害国政府に放り投げて手を引こうという意図が見える』と指摘している。これらの状況を踏まえ、わが党の『日韓合意』についての見解『問題解決に向けての前進と評価できる。』(2015年12月29日)に(続く)」


⑨「(続き)ついては、現状を正しく把握したものではなかった。ここで原点に立ち戻り、今後とも『慰安婦制度』をはじめ、日本の加害責任を明確にし、被害者(国)への謝罪とともに、その教訓を生かすために全力をあげるものとする。」(千葉県の女性党員)


⑩「◆『自共対決』方針の誤りを総括すべきだ――第26回大会で掲げた『自共対決』路線を安保法制の国会通過を機に転換したことを歓迎します。多くの党員がこの方針転換によって、やっといきいき活動できるようになりました。それが参議院選挙の1人区すべてでの(続く)」


⑪「(続き)共同の実現やその後の11人当選につながったと思います。正しい方針は実行されます。しかし、その方針転換の説明が今回の大会決議案で『綱領の生命力』が発揮されたからというのは見当違いです。それは『自共対決』は誤りだと主張してきた同志や(続く)」


⑫「(続き)共同を願って党に呼びかけを続けた市民運動のみなさんにも失礼です。第26回大会前の参議院選挙でも市民団体や有志が党派を超えた共同を申し入れたり、意見を言っても、政党の方針に市民運動が口を出すなとこれを拒否しました。拒否されてもずっと(続く)」


⑬「(続き)呼びかけを続け、共同を追求した人たちがいました。党はまず、これらのみなさんに、みずからの誤りや不十分さがあったことを認めるべきです。そして、その誤りの原因こそ分析・総括されるべきです。(続く)」


⑭「(続き)◆多様な意見を活力にできる方針と体制をつくるために――高齢化する支部の現状のなかで、党員や『赤旗』拡大だけが、選挙勝利や情勢を変える力になる式の『自力主義』が、結果として党内の多様な意見や豊かな経験、アイデアを殺してしまいます。(続く)」


⑮「(続き)第26回大会で決めた方針に責任をもつ幹部は、その責任の所在を明らかにすべきです。そして本大会で党内改革に本気で取り組む体制刷新を願い、現実の支部活動や党員の現状を把握しない今回の大会決議に私は反対します」(京都府の男性党員)


⑯以上、共感した意見のうち、党大会が無視し決議にも反映しなかった意見を紹介した。 私の意見については masato555.justhpbs.jp/newpage125.html
また、党が市民団体の提案を拒否した経過は
masato555.justhpbs.jp/newpage105.html
を参照のこと。


⑰私の意見は、党大会決議や意見集が完全に無視し、志位報告・結語・閉会あいさつなど、すべての決定類にわたって反映されなかった。いわば、反党分子に対するような扱いである。私は反党分子ではない。残念である。


⑱「党は…欠陥と誤りを軽視せず批判と自己批判によってそれを克服し、党と人民の教訓としなくてはならない」(旧規約)。いまの党中央は、活動の成果だけを評価し、誤りを直視していない。また、批判意見を党への攻撃とみなしているふしがある。何かがおかしい。


⑲「党の会議や機関紙誌で、党の政策・方針にかんする理論上・実践上の問題について、討論することができる。ただし、公開の討論は、中央委員会の承認のもとにおこなう」(旧規約)。2000年の規約改定で同条項は削除されたが、公開討論の権利は新規約でも生きている。


⑳「(機関紙誌で…討論できる云々の規定をなくしたのは)いついかなる場合でも機関紙誌上の討論がやられるのだという誤解を生まないように、現状にあわせて表現をあらためたもので、権利の削除ということはまったくない」(規約改定案の討論についての不破委員長の結語)


㉑旧規約第3条「党員の権利」のトップに位置付けられてきた「(公開の)機関紙誌での討論の権利」。しかし、新規約にない権利は経過がどうあれ尊重されない。意見集の公開はされず、大会討論を「双方向での認識の発展」と絶賛する志位「結語」だけが決定として残った。


㉒機関紙誌での公開討論の権利は、旧規約では「中央委員会の承認」という制限があったが、これも1994年の規約改定で加わったもの。この権利は58年の規約改定で確立し36年の歴史を持つ。当時からあった反対意見の勝手な発表禁止規定はこれを補強するものでしかない。


㉓「党の会議や機関紙で、党の政策に関する理論上・実践上の問題について、討論することができる」という党員の権利は、2000年の規約改定で全面削除された。オープンな全党討論の基本的媒体としての位置づけが規約から消えたことこそ、機関紙衰退の最大要因である。


㉔3月1日は韓国の三一節。韓国KBSテレビも同日放送の特集番組を準備している。本日、韓国から来日した同局の記者・カメラマンに、拙宅でインタビューを受けた。拙著『吉田証言は生きている』(2015年、共栄書房)がテーマ。番組視聴が楽しみ。
ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89


㉕「少女像の問題も、こうした努力のなかで解決されるべき」。像の撤去を事実上主張するするなんて、どうかしているぞ、日本共産党。反対意見があるのに議論を尽くさず採択した大会決議を引用して誰が納得するのか。 jcp.or.jp/akahata/aik16/




㉖日本共産党はなぜ、少女像の撤去を求める日本政府を批判しないのか。それは、少女像に疑問を持っているからだ。朝鮮からの官憲による「慰安婦」強制連行を歴史的事実と認めず、大使館前の少女像設置に問題があると思っているからだ。そうでないなら、批判してみせよ。


㉗評価できるところだけを引用し、悪いところを引用しない分析は、日本国民に間違ったメッセージを与える。「慰安婦」問題で、安倍政権とパク・クネ政権の立場を擁護することになる。どうかしているぞ、日本共産党。 mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/k


㉘「赤旗」読者に警告。この論評には「少女像の問題も…日本政府は、韓国政府と協力して誠実に引き続き力をつくすことが必要です」という文章がある。これは日本共産党が、少女像についての安倍政権の方針を評価し「引き続き力をつくせ」と言っていることに他ならない。


㉙老婆心から一言。もし、日本共産党が日韓合意での少女像の問題で、安倍政権の方針を批判しているなら「引き続き力をつくせ」という言い方は絶対しない。その方針を批判し、転換を求めるのが当然。「ひいきの引き倒し」に注意を。


㉚韓国政府、釜山東区庁に「少女像移転」の公文書―中央日報
japanese.joins.com/article/113/22


㉛釜山少女像周辺の横断幕をき損した40代が検挙 その理由が…―中央日報
japanese.joins.com/article/586/22


㉜「見解の相違」で除籍なんて、とんでもない。どうかしてるぞ、日本共産党。
山下明子の幸せの黄色いニュース「この度、私・山下明子は2017年2月20日をもって日本共産党を除籍となりました」


㉝醍醐聡「日本共産党が今回の日韓合意後も、正しい見地に立って『慰安婦問題』の解決に貢献する運動に取り組むには、合意を『前進』と評価した12月29日の志位談話を撤回することが不可欠である」
chikyuza.net/archives/59933


㉞違和感を持っていた「赤旗」記事について、醍醐聡氏がブログで批判していた。日本の知識人にも良識ある人物は残っている。 ☆笠井亮氏の問題発言→「被害者や支援者らの粘り強いたたかいが今回の合意で安倍政権に『おわび』と『反省』を言わせた」 chikyuza.net/archives/59933


㉟この論考は、日本共産党が最近まで、野党の選挙共闘を求める人たちに「時期尚早」と言ってそれを拒否していたことを確認できる。同党は、その誤りを軽視せず批判と自己批判によってそれを克服しただろうか。 ~志位「いまそれを言うのは時期尚早」~ chikyuza.net/archives/55805


三一節迎え、全国で「12・28『慰安婦』合意撤回」の声


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