「FTAとTPPは各国の農業を破壊する」
「対案は正義に基づく公正な貿易だ」
タイ・韓国・インドネシアの代表らが訴え
国際ファーラムに約100人参加




 国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)や農民運動全国連合会(農民連)、中小農業者の国際組織「ビア・カンペシーナ」の3者が主催する「FTA・TPPに関する国際フォーラム」が15日、東京都新宿区の日本青年館・国際ホールで開かれ、タイや韓国・インドネシアなどの海外代表をはじめ、内外から約100人が参加しました。
 冒頭、農民連会長の白石淳一さんが主催者としてあいさつ、日本の財界や政府などが推進しているFTA(自由貿易協定)やTPP(環太平洋連携協定)について「食料主権を脅かし、それぞれの国の農業と農村の基盤を破壊・解体する」と厳しく批判。それに代わる対案(オルタナティブ)を探求していこうと呼びかけました。
 ビア・カンペシーナ国際調整委員のユン・グンスンさんは、「FTA・TPPについてのビア・カンペシーナのポジション(立場・見解)」と題して報告。「FTAやTPPという自由貿易から利益を得ているのは、世界中の1%の投資家だけである。一方の貧しい人たちは犠牲を強いられている」とのべ、「正義に基づく公正な貿易、搾取のない貿易、つまり、もう一つのアジアこそが必要であり実現可能である」と強調しました。
 タイFTAウォッチ・コーディネーターのキンコン・ナリンタックさんは、タイ政府が中国やインド、日本と締結したFTAの悪影響について報告。とりわけ中国とのFTAがタイ国内のニンニクの価格の暴落をもたらし、7万人の農民に悪影響を与えていることを告発しました。
 韓国全国農民会総聯盟(KPL)政策委員長のイ・チャンハンさんは、いま締結されようとしている韓米FTAについて「1%の韓国の財閥・多国籍企業が利益をあげる一方、99%の韓国民衆にいっそうの貧困をもたらす」、「史上類例のない、最も不公平で屈辱的な内容である」と厳しく告発しました。
 インドネシア農民組合(SPI)国際部長のムハマド・イクワンさんは、インドネシア政府が各国と締結しているFTAについて、「ヨーロッパにココア(チョコレートの原料)を輸出し、逆に私たちがチョコレートを輸入している」とのべ、途上国が政治的に独立してもなお、欧米の多国籍企業に経済的に支配・従属する「新植民地主義」的な構造を促進していると批判しました。
 タイ貧困者連合(AOP)国際部長のウタイ・サアットチョップさんは、「自由貿易は農民を救済することはない。私たちは貿易を否定するものではなく、消費者や生産者にとって、公正な貿易を求めている」と強調しました。
 日本側からは、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(日本AALA)常任理事の新藤通弘さんと、農民連副会長の真嶋良孝さんがそれぞれ報告。
 新藤さんは、世界各国の経済協定を大きく二つに分類。市場万能主義のFTAやTPPに対置して、加盟国間の国民の連帯・協力で中小企業や農業の保護などをめざすALBA(米州諸国民ボリーバル同盟)などの経済協力協定を紹介しました。
 真嶋さんは、日本の大企業の輸出のうち、70%前後が海外子会社向けの企業内貿易であることを示すデータを紹介、日本政府が進めようとしているTPPについて、「関税を撤廃し、多国籍企業の多国籍企業のための多国籍企業のルールづくりである」と批判しました。
 その後、会場の参加者を含めた討論を行い、その中で、筆者も発言をしました。(別項参照)

 (経済ジャーナリスト・今田真人=2011年10月15日記)




海外代表の報告を聞く参加者=10月15日、東京都新宿区の日本青年館

                     
   

農民連の白石淳一さん


   

ビア・カンペシーナのユン・グンスンさん





 タイFTAウォッチのキンコ・ナリンタックさん
                             




  

韓国全国農民会聯盟のイ・チャンハンさん





 

インドネシア農民組合のムハンマド・イクワンさん


  


 日本AALAの新藤通弘さん
     
         



  

タイ貧困者連合のウタイ・サアットチョップさん

 


  農民連の真嶋良孝さん



トップページに戻る