◎(別項1)「11.23キックオフ!脱原発をめざす女たちの会」でのタレント・藤波心(ふじなみ・こころ)さんの開会宣言(全文)
開会宣言。みなさん、はじめまして。藤波心です。
福島原発の大事故から、もう9カ月が経とうとしています。しかし、いまだに事故は、収束せず、チェルノブイリを超えるかもしれないといわれている放射性物質が、なおも、空気、水、食べ物、衣料、セメントや、がれきなどに混ざって、日本全国に拡散していっているのに、そこに暮らす人々は、まるで何事もなかったかのように、普通に生活しています。私は、これはすごく怖いことだと思っています。
私が原発はだめだと思う点は、一つには、事故によって、お母さんが子どものためを思ってつくった料理の中に、味もない、においもない、色もない放射性物質が、まるでパソコンウイルスや、ハッカーのように、知らないうちに体内に入り込んで、母の子を思う愛情を裏切ってしまうからです。
私は将来、子どもを産むとき、本当に大丈夫かどうか、いまとても不安です。もしも何かあったら、私は生まれてきた赤ちゃんに、何と言って謝ればいいのでしょうか。私のお父さんやお母さん、おじいちゃん、おばあちゃん。おじいちゃん、おばあちゃんのお父さんやお母さん。何百万年、脈々と繰り返される人に命。この関係を一瞬に引き裂くものが、放射性物質です。
美しい山や川、海、歴史ある町。おいしい山の幸や海の幸。もう、私たちの国土に、第2の福島をつくっては絶対にいけません。日本は地震が多い国です。もし、またどこかで、大地震が起きて、別の原発が爆発するようなことがあったら、今度こそ、日本は終わってしまうと思います。
経済がだめになるから、原発は必要だという人がいます。しかし、このままでは、日本そのものが、だめになってしまうと思います。原発がなくなったら、経済がだめになるのではなく、原発があるから、経済がだめになる、日本がだめになるのだと思います。私たちは原発によって支えられていたのではなく、何も知らない私たちが、原発を支えていたのだと思います。
いまこそ、本当に大切なものは何か、豊かさとは何か、考え直すときが来ているのだと思います。みなさん、一人ひとりの力で、子どもたちの明るい未来、そして日本の未来を守ってください。よろしくお願いします。
2011年11月23日、藤波心。
ありがとうございました。(たくさんの拍手)
(経済ジャーナリスト・今田真人=2011年11月23日記)
11.23キックオフ!脱原発をめざす女たちの会で開会宣言をするタレントの藤波心さん=11月23日、東京都杉並区
( 藤波心さんのオフィシャルブログ http://ameblo.jp/cocoro2008/ )