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(2017年6月27日からカウント)


国会図書館が極秘通牒を内閣官房に提出
(2017年6月17日〜のツイート再録)
=経済ジャーナリスト・今田真人=


@国会図書館は、同館所蔵の戦中の公文書『労務調整令事務取扱関係通牒集(1)』を2日付で、内閣官房副長官補室に提出した。国民学校未卒の年齢14歳以上の日本人女子(朝鮮人を含む)を軍慰安所の「酌婦」等に雇い入れることを認可するもの。

【参照ツイート】
日本「慰安婦」問題解決全国行動
慰安婦「強制連行資料」を提出したがネトウヨ政府はこれを認めるのを拒んでいる - 河野談話を守る会のブログ - Yahoo!ブログ
慰安婦強制連行が書かれた資料が、国立公文書館から、内閣府に提出された。
19件182点
資料の多くが強制を示しているが、内閣官房は取材に「強制連行を示す記述は見当たらないという政府認識は変わらない」としている。
ネトウヨですか?

(同上記事へのリンク


A国会図書館の広報担当者によると、同文書の提出は、内閣官房が1996年7月24日付で、国の各機関に「慰安婦」関連資料があったら情報を寄せるよう指示した事務連絡を受けたもの。同図書館がこの事務連絡に基づき、「慰安婦」関連資料に該当するかどうかを検討した結果、提出を決めた。


C詳しくは以下を参照してください。
(1)私のHP http://masato555.justhpbs.jp/newpage124.html
(2)共著『「慰安婦」問題の現在』(三一書房)所収の拙稿「『吉田証言』は本当だった――公文書の発見と目撃証人の登場」




D戦中の大日本帝国の臣民(内地人、朝鮮人、台湾人)を対象にした戦時労務動員の対象業務に、「軍慰安所の酌婦・女給(「慰安婦」を指す)」があったことを示すこの通牒の存在は、日本政府が1998年に復刻本として発行した『政府調査「従軍慰安婦」関係資料集成C』P32とP41で示唆されていた。






E上記の公文書(第4巻P41)には、墨で塗りつぶされた個所がある。国立公文書館で原本を透かして見れば、「〇ノ要求ニ依リ」と読める。その下の「根拠法令」には「第186号厚生次官ヨリ各地方長官宛通牒」とある。「慰安婦」と軍との関係を隠ぺいしたいのは戦中の政府も現在の政府も変わらない。






Fところで、「酌婦」という言葉は当時、「慰安婦」のことを指した。政府が「慰安婦」関係資料として公表している次の公文書(復刻本第1巻P43)もそれを示す。女性を「慰安婦」として連行する際に親権者に求めた承諾書の書式。「指定ノ陸軍慰安所ニ於テ酌婦稼業(娼妓同様)ヲ為スコト」云々とある。




Gついでの発見。1941年12月16日付の「労務調整令ニ関スル件依命通牒」には「酌婦、女給」だけではなく、「藝妓」も戦時動員対象にあげている。「本令施行ノ際ニ現ニ14年未満ノ仕込中ノモノノ14年トナリタル場合ノミ認可ス」。14年とは14歳のこと。官憲は未成年でも平気で連行したのだ。




H日本政府が1939年度からの「労務動員計画」で、朝鮮人を鮮外に強制連行したことは周知の事実。その中に女性が確認できるのは1941年度から。当時の「朝鮮人労務者移入雇傭願(斡旋申請書)記載要領」に男女別の内訳数を記入する項目がある。(樋口雄一編『戦時下朝鮮人労務動員基礎資料集U』)


I朝鮮人女性は労務動員で、日本内地や戦地へ「官斡旋」方式で連行された。徴用ではないので強制ではないと言う学者がいるが、その指摘は当らない。「官斡旋ハ徴用ニ準ジ官庁ノ責任ニ於テ動員スルモノナリ」(1944年当時の内務省管理局民政課「朝鮮労務事情」から。外交史料館・茗荷谷文書I59)


J1944年7月31日、朝鮮の現地調査をした内務省嘱託・小暮泰用氏の復命書はいう。「動員ノ実情――徴用ハ別トシテ其ノ他如何ナル方式ニ依ルモ出動ハ全ク拉致同様ナ状態デアル。其レハ若シ事前ニ於テ之ヲ知ラセバ皆逃亡スルカラデアル」(外交史料館所蔵)。官斡旋も「拉致同様」だったのである。




K朝鮮総督府『国民徴用の解説――疑問に答へて一問一答式に』(1944年10月30日発行)。「今迄朝鮮の女子挺身隊は、みな官の指導斡旋によるもので、内地の…飛行機工場等に出してをります」(樋口雄一『戦時朝鮮人労務動員基礎資料集V』)。「工場等」の「等」に注目。工場だけではなかった。


L先に紹介した内務省嘱託・小暮氏は官斡旋が「拉致同様ナ状態」だったと指摘、続けて言う。「若シ事前ニ於テ之ヲ知ラセバ皆逃亡スルカラデアル、ソコデ夜襲、誘出、其ノ他各種ノ方策ヲ講ジテ人質的掠奪拉致ノ事例ガ多クナルノデアル」。官憲による「夜襲、誘出」「人質的掠奪拉致」とは、すさまじい。




M小暮氏の官斡旋の描写は朝鮮人男性だが女性にはさらに暴力的だったろう。政府公表の公文書(復刻本CP113)に当時の朝鮮人女性の描写がある。「未婚女子ノ徴用は必至ニシテ中ニハ之等ヲ慰安婦ト為スガ如キ荒唐無稽ナル流言巷間ニ伝ハリ」云々。一方的に「荒唐無稽」と断じるところが官憲らしい。




N東京新聞が報じた国立公文書館所蔵の「慰安婦」強制連行を示す公文書について、添付資料のように、市民団体が6月20日(火)午後4時半(開場4時)から、参議院会館101号室で報告集会を開きます。私も5分程度、報告する予定。関心のある方は、ぜひご参加ください。





☆関連の私のHPのページ「『オール連帯6・20集会』での私の報告とレジュメ、声明(経済ジャーナリスト・今田真人)」へのリンク



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