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(2022年5月16日からカウント)


「どっちもどっち論」批判―ロシアのウクライナ侵略について(2022年2月24日~のツイート再録)
 (フリージャーナリスト、今田真人)


(総リード)
 ロシアは2022年2月24日、隣国ウクライナに対して、侵略戦争を始めた。これは、国連憲章と国際法に明確に違反する侵略戦争であり、ロシアが100%悪い。この戦争をやめさせるには、いわゆる対ロシア統一戦線の確立、つまり、侵略国ロシアに対する国際的な批判と制裁、被侵略国ウクライナへの国際的支援の強化が必要である。この支援には財政・人道支援だけでなく、武器・軍事支援も必要不可欠である。ところが、ロシアのプロパガンダの影響もあって、ロシアも悪いがウクライナも悪いとする「どっちもどっち論」(侵略戦争と自衛・防衛戦争を同列視する「あらゆる戦争に反対論」もその一種)が、一部平和勢力からも出され、対ロシア統一戦線に混乱が生まれている。とりわけ、「どっちもどっち論」による欧米の武器・財政支援への否定的見解は、事実上のロシア侵略戦争への傍観やウクライナ降伏待望につながる倒錯理論であり、看過できない。以下のツイートは、この「どっちもどっち論」への批判を中心とした私の連続ツイートの紹介である。


「あらゆる戦争に反対」ではなく、私は、侵略戦争に反対である。ウクライナがロシアの侵略戦争に対抗する防衛戦争を戦うなら、私は当然、それに賛成である。味噌もくそもいっしょにしてはならない。


〈参照〉在日ウクライナ大使館 @UKRinJPN
今朝未明(ウクライナ時間)、プーチンがウクライナに対して大規模の戦争を始めました。ウクライナの複数の都市に空爆が続いています。これは侵略戦争です。ウクライナは戦って、勝ちます。世界はプーチンを止めなければなりません。行動するタイミングは今です。
午後2:10 · 2022年2月24日·Twitter Web App


ロシアのウクライナ侵攻は侵略戦争だから、反対である。自衛という理由をあげれば、自衛戦争だというのは、事実を直視しない詭弁である。さまざまな事実から見て、これはロシアの侵略戦争である。「あらゆる戦争に反対」は、何の役にも立たない寝言である。


日本帝国は先の大戦で中国に対する侵略戦争を行った。これに対して、中国は、国民党と共産党が団結し、英米諸国とも協力して、対日防衛戦争を行って勝利した。私はこの時の中国の防衛戦争を当然、支持する。「あらゆる戦争に反対」のスローガンでは、侵略戦争を止めることができない。


ロシアのウクライナ侵攻に際して、ウクライナ側の「弱点」をあげつらう人々がいる。何を考えているのか。殺人者と被害者をいっしょにしてはいけない。「あらゆる戦争に反対」は、プーチンを大喜びさせるだけである。


ロシアの一方的な武力侵入に対して、ウクライナの人たちはやむを得ず武器を持って自衛戦争をしている。何度も言うようだが、被侵略国の人たちに向かって、「戦争反対」はないだろう。「戦争反対」は侵略者のロシア政府・プーチン大統領に対して言うべきだ。


ウクライナのNATO加盟の動きが、ロシアのウクライナ侵略の理由になるなら、国連を中心とする現在の国際法は、無意味となろう。日本帝国は先の大戦で「満蒙は日本の生命線」という理由で、中国侵略を拡大していった。そもそもウクライナは独立国である


(参照)
💛北野雅弘💙💉💉Pf💉Mo (02/20) @MasahiroKitano
子供の頃、「どんな理由があっても戦争はあかん」って学校で教えられて、家でそう言ったら母親にものすごく叱られた。「あかんのは侵略や。そこ間違えたらあかん」って。毎年お年玉半分寄付させられたけれど、それも「反戦やない。ベトナム人民支援や」とも。
もう50年以上前。偏向教育やなぁ。


すばらしいお母さんですね。


ベトナム反戦運動のときは、アメリカの侵略戦争だけでなく、ベトナムの自衛戦争に対しても「戦争反対」という奴は、さすがにいなかった気がする。ロシアもウクライナも、どっちもどっちみたいな厭戦気分をあおる人たちは、本当にどうかしている。


侵略戦争に対して最も敏感に抗議すべき国と党が、いつのまにやら侵略者の側に?共産党の名が恥ずかしくはないか、中国共産党。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b0468bc3c55c06eec1d2e36d663c28c6e706f7ca


ロシアの侵略戦争に反対か賛成か、2つに一つしかない場面で、棄権をした中国。国連常任理事国で唯一、社会主義の看板を掲げた大国の無残な姿である。侵略戦争に命がけで抗議できない国には、社会主義の看板を掲げる資格はない。恥を知れ、中国共産党。


(参照)akushi Fujiwara / 藤原学思 @fujiwara_g1
棄権の中国。
「外交的努力に向けたあらゆる努力を歓迎、奨励。ロシアとウクライナがこの問題を解決することを支持。この1週間、安保理では十分詳しくそれぞれの立場を説明してきた。燃料を投下するのではなく、事態を鎮めることが必要だ。ウクライナは東洋と西洋の架け橋に」
これまでとほぼ同様。
午前8:26 · 2022年2月26日·Twitter Web App


コトリャレフスキーへの鎮魂歌(レクイエム)ナターシャ・グジー ~「当時、ウクライナはロシアに虐げられ、ウクライナ語は禁止されていたが、コトリャレフスキーは、ウクライナ語で民族の魂を謳い続けた」
(参照)
ユーチューブ「コトリャレフスキーへの鎮魂歌(レクイエム)ナターシャ・グジー」


「あらゆる戦争反対」は、ウクライナに降伏をよびかける、危険なスローガンである。われわれ日本人はロシアの侵略戦争にこそ反対すべきだ。ロシアはただちに侵略戦争をやめ、ウクライナから撤退せよ。プーチンはウクライナでの無差別な人殺しをやめよ。


Hirano Takashi / 平野高志 @hiranotakasi
4回目の夜も無事明けた。ウクライナは本当によく防衛している。戦っている人達に最大限の敬意と感謝を。
午後2:58 · 2022年2月28日·Twitter for Android


ロシアの侵略戦争をやめさせるために、あらゆる手段を講じるべきときに「EU諸国は武器をウクライナに送るな」とは。ロシア軍が他国に侵入し武力で住民を虐殺しているときに、住民側に武器を捨てて降伏しろと説くに等しい暴論である。孫崎享さんともあろう人ががっかりだ。


(参照)孫崎享 @magosaki_ukeru
EU諸国等懸命に武器をウクライナに送ろうとしてる。この武器があるとロシア軍駆逐できるのか。その見通しがあるならそれでいい。それがなく武器だけ送るのは、ロシア人とウクライナ人の殺戮を増すだけじゃないか。平和への道か。ロシア批判の人々はこの点考えたらいい。何故武器を送るのか?と。
午後1:13 · 2022年3月1日·Twitter Web App


孫崎享 @magosaki_ukeru
3月1日
がっかりされて失礼しました。書きましたように「武器があるとロシア軍駆逐できるのか。その見通しがあるならそれでいい。それがなく武器だけ送るのは、ロシア人とウクライナ人の殺戮を増すだけじゃないか」が私の見解。武器を持たせて死線に行かせることが正義とする最近の日本の世相が怖い。


侵略戦争に自国民を「武器を持たせて死線に行かせること」にはもちろん、反対です。しかし、自衛戦争に自国民が武器を持って立ち上がることは、当然の権利です。何度も言いますが、侵略戦争と自衛戦争を明確に区別しなければ話になりません。孫崎さんは何か大きな勘違いをされているように思います。


@ugnaa @magosaki_ukeru
ウクライナ人は侵略に対し抵抗を望んでおり、兵器の支援を求めています。在外国民も続々と国に帰っています。世論調査の結果を見ても士気は非常に高い。
侵略への抵抗は権利で、それを認めなければ世界は侵略し放題になります。兵器を支援しないのは暗に降伏しろと言ってるようなものです
午前0:21 · 2022年3月3日·Twitter for Android


ugna  @ugnaa
抵抗を諦めた人に戦えと高所から言うことはおこがまいことです。同様に、抵抗を望み武器を切望している人に戦争は悪いことだから戦うなと言うのは、正しいこととは思いません。
それに、ロシア軍に損害を与えて停戦条件を有利なものにすることは十分に可能だと思います


やまんば @yamamba_tateo
残念ながら、今田氏とは今回のロシアウクライナ戦争の評価では意見が完全に分かれた様ですね。いまリベラル派・左翼陣営はこの戦争を巡って大分裂が起きている様です。かって、第二インターナショナルが帝国主義戦争の評価を巡って戦争支持派(社民)と反対派(共産)が不可避に分裂し崩壊した如く。
午前0:28 · 2022年3月19日·Twitter Web App


やまんば @yamamba_tateo
もち論私は無条件戦争反対派ではありません。あなたの言うように「侵略戦争と自衛の戦争」は区別されます。私達がかってベトナム反戦闘争を関わった時に、アメリカの侵略戦争を非難し、ベトナムの民族解放独立戦争=自衛の戦争を断固支持した様に。


やまんば @yamamba_tateo
ただ、今回のロシアとウクライナの戦争はそう単純明快な区別は出来ない、非常に複雑な問題と私は考えています。詳しい説明が必要であれば改めてやりたいと思いますが、なぜ私がそう考えるかは、すでに私のツイート欄でも断片的に述べていますので、できればそちらの方も参照して下さい。


やまんば @yamamba_tateo
ある意味で私は生涯を掛けて戦争の問題を考えてきました。今田さんも長い間こうした問題と取り組んできた”熟達者”と思われますので、生産的な話が出来るかも知れません。おいおいやりませんか?(戦争は切迫していますので、そうノンビリとは構えて居られないかも知れませんが・・😩


やまんば @yamamba_tateo
私のhatenaブログの方に、2003年のイラク戦争開戦当時の論文を収録しました。端的に言えば、私の現代認識を構成する上で、ノーム・チョムスキーの言説から大きな影響を受けている、事は正直に告白します。日本共産党の本は全く読んでいません。その辺が議論の手がかりになるかも知れません。


孫崎享 @magosaki_ukeru
貴氏は何のために脱原発を述べられているのですか。日本のエネルギーバランスのためですか。そうじゃないでしょう。何よりも重要なのは命を守る事、命を無駄にしない事でしょう。その観点で武器を送ることがウ・露の人々の命にどう影響を与えるかを考えてみてください。
イデオロギーは利用されます。


私は「イデオロギー」でものを言っていません。ウクライナの自衛戦争やEUの武器援助を非難するのではなく、ロシアのウクライナ侵略戦争をやめさせるための、あらゆる努力を評価すべきだと言っています。もちろん、ウクライナへの武器援助だけでなく、あらゆる侵略戦争反対の世論喚起も必要です。


mamegoma🐥#トランス差別に反対します @mamegomahyphen
ウクライナ侵攻の最大の責任はロシアにあるが、「NATOの侵略に対抗する戦争」というロシア側の主張を「全くの詭弁」と一蹴できますか?日帝の侵略に中国国民党と中国共産党が抵抗しましたが、どちらも抵抗したから正しいと言えますか?ウクライナの無批判な「美化」は危険だと思います。


私は、そうは思いません。「NATOの侵略」とはどういうことでしょうか。NATOがロシアを侵略した事実がありますか。事実でないことを、さもそうであるかのようにいうことは、詭弁そのものです。侵略戦争を事実に基づき、侵略戦争だと指摘し、反対することこそ、求められています。


「日帝の侵略に中国国民党と中国共産党が抵抗しましたが、どちらも抵抗したから正しいと言えますか?」との問いかけについて。もちろん、どちらも、その抵抗闘争は正しいと思います。侵略に対する抵抗が正しいという指摘と、中国国民党や中国共産党の全体的な評価は別の話です。


mamegoma🐥#トランス差別に反対します @mamegomahyphen
国民党は日帝の侵略に抵抗するより共産党を攻撃する方に注力し、結果日帝の侵略を手助けしていましたが?
ウクライナ政権を支持する極右はオデッサ虐殺を起こしましたが、それはどう思いますか?


まず、いろいろな質問を投げかける前に、私の最初の質問に答えてください。「『NATOの侵略』とはどういうことでしょうか。NATOがロシアを侵略した事実がありますか」という質問です。その事実を示せないなら、あなたは結局、侵略者・ロシアを美化する詭弁をろうしているにすぎないですね。
(以下、いくつかのやりとりがあるが、省略する)


ロシアのウクライナ侵略非難決議に、れいわ新選組が反対した。反対理由を読むと「ロシアの暴走」とともに、米欧主要国の「NATO東方拡大」を挙げる。侵略の原因を被害者側にも求めるという、典型的などっちもどっち論だ。これでは事態は改善しない。れいわへの失望感は大きい。
(参照)
【声明】ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議について(れいわ新選組 2022年2月28日)


ナチスや日本帝国の侵略戦争は、反ファッショ統一戦線というたたかいで敗北した。つまり、侵略戦争反対の一点で協力し、敵を孤立させ、仲間をふやすというたたかいである。敵と妥協する「チャンバレンの宥和」や、どっちもどっち論では、侵略戦争はとめられない。
(参照)コミンテルン第7回大会(1935年)のディミトロフ報告から


欧州諸国のウクライナへの武器供与を「火に油をそそく」として非難する人たちがいる。この人たちは、ウクライナ兵が粗末な武器でロシア兵と戦うのが停戦への道だと考えているらしい。確かにロシア兵の流血は少なくてすむだろうが、ウクライナ兵は逆である。こういう倒錯した理論に付ける薬はないかも


侵略者・ロシアの味方に、中国だけでなく北朝鮮も加わったらしい。その理由に既視感がある。「NATO=北大西洋条約機構が東方拡大を推し進め、ヨーロッパの安全保障環境を破壊してきた。今回の事態の根本的な原因はアメリカと西側の覇権主義にある」
(参照)NHK「国連総会 緊急特別会合2日目 ロシアを非難する発言相次ぐ」2022年3月2日 11時25分
~一方、北朝鮮のキム・ソン国連大使は演説で「NATO=北大西洋条約機構が東方拡大を推し進め、ヨーロッパの安全保障環境を破壊してきた。今回の事態の根本的な原因はアメリカと西側の覇権主義にある」と述べ、欧米各国を非難しました。


やはり、ロシア侵略戦争の理由とされる「NATOの東方拡大脅威論」や「ウクライナ政府のロシア系住民虐殺説」は、フェイクだった。
~プーチンの「歴史戦」(NO HATE TV )
(参照)ユーチューブの当該番組


先の大戦で、英米ソの中国への軍事援助の道「援蒋ルート」は、日本帝国の中国侵略戦争に対抗する優れた方法だった。当時「中国への武器供与は火に油を注ぐ」と言ったなら「日本軍国主義の手先」と非難されただろう。善意からだとしても、ウクライナに武器支援をするなという暴論は大きな間違いである。


憲法9条を持たない欧米諸国がウクライナに武器を支援することは、なんら問題はない。現在の日本政府や日本人の場合、憲法前文の精神からして適切ではないだろう。ただ、先の大戦では、中国側に武器弾薬を渡し、日本の侵略戦争をやめさせようとした日本共産党員兵士もいた。
(参照)伊田助男氏の戦中のたたかいについて→私のHP「日本共産党の『敵の出方論』について」で紹介しています。


川上 哲夫 @kawakamitetsuo
今朝わたしも偶然、(大ロシア復活を夢見る)「プーチンの歴史戦」を視聴しました。目から鱗でした。
一方でEUが武器や資金を供与することが善意の代理戦争のように見えるのです。いかがでしょうか?戦争を長引かせ、挑戦戦争やベトナム戦争のようにウクライナを泥沼に落とすことになりはしまいかと。
午前11:08 · 2022年3月3日·Twitter for Android


川上 哲夫 @kawakamitetsuo
そうは言っても侵略者への抵抗を否定するものではありません。プーチンを止められない欧米に不信感が残るのです。


川上さんは、ウクライナの事態を朝鮮戦争のように、一国内の内戦とお考えか。そうでなければ「EUの代理戦争」という表現はおかしい。ウクライナの事態は、ロシアによる独立国ウクライナへの公然たる侵略戦争です。戦争を早期にやめさせるには、ロシアがただちに無条件で停戦する以外にありません。


ロシアが無条件で停戦しロシア兵をウクライナから撤退させれば、戦争はすぐに終わります。それがロシアの侵略戦争だからです。内戦なら戦争は終わらない。EUがウクライナに武器を供与すれば戦争が長引くという発想は、ウクライナは抵抗をやめ戦争を早く終わらせよというふうにしか聞こえません。


EUは、ナチスドイツと戦ったフランスや、ナチスの侵略戦争の反省のうえに戦後の国家建設を行ったドイツなどを中心にした国際組織です。自国の侵略戦争の反省のうえに作られた平和憲法を持ちながら、いまだに侵略戦争の反省ができず改憲まで狙う政権与党を持つ日本とは、対応が違って当然です。


川上 哲夫 @kawakamitetsuo
現在をウクライナの内戦とはみてません。<ロシアが無条件で停戦し、撤退すること>には全く同意します。
しかし欧米が支援することで長期化すれば内戦の様相を作ってしまわないと感ずるのです。そのことを「善意の代理戦争」と表現したものです。


おしゃっていることが理解できません。「欧米が支援することで長期化すれば…」。欧米が支援すると、戦争が長期化するのですか?支援しなければ、短期で終わるのですか?主権国家の自衛戦争を支援するのは当たり前です。これは欧米が戦争に介入することではありません。それは国連憲章違反ですから。


川上 哲夫 @kawakamitetsuo
ロシア軍のウクライナ攻撃をイスラエルのパレスチナ侵略と比べてしまいます。イ→パに対するEU諸国の態度はロ→ウのように明確なものではないですよね。その差をEUにとっては隣の火事か対岸の火事かの違いではないかと感じ、モヤモヤとした不信感が残るのです。


ですから、国連憲章が基準です。イスラエルのパレスチナ侵略は詳しくありませんが、米国が拒否権を発動し、安保理の決議を妨害していると理解しています。他の戦争の事例を次々に挙げて判断を迷うのではなく、ロシアのウクライナ侵略そのものを直視し、国連憲章に基づいて批判すべきです


川上 哲夫 @kawakamitetsuo
はい。もっと状況をよくみて考えてみます。
ご意見を伺いたく声をかけてみました。失礼をお許しください。


多くの日本の年配者は、先の侵略戦争に徴兵や勤労動員という形で強制的に協力させられた体験しかない。しかし侵略された国の人々は違う。抵抗闘争と自衛戦争への参加こそ正義だった。先の戦争で加害国だった日本政府と日本人が、EUのウクライナへの武器支援に軽々に疑問を投げつけるべきではない。


れいわが2日の衆院に続き参院本会議でもロシア非難決議に反対した。「米欧主要国がソ連邦崩壊時の約束であるNATO東方拡大せず、を反故にしてきた」とロシア側の虚偽の理由も事実認定。ロシアの侵略を批判しながら侵略反対の一点で協力する姿勢もない。協調性のない独善だ。


いまのロシアは、中国侵略(「満州事変」)を合理化し、国際社会から孤立し、国際連盟を脱退した、かつての日本帝国を想起する。犠牲は大きかったが、反ファッショ統一戦線に参加する国や勢力は、日独伊のファシズム国家の侵略戦争に打ち勝った。その教訓を忘れてはならない。
(参照)国立公文書館所蔵資料「国際聯盟脱退ニ関スル措置案」


近現代日本は他国への侵略戦争しか行ったことのない特異な国である。先の大戦でのアジア侵略戦争を反省して制定された憲法があるにもかかわらず、いまだにまともに守る意思がなく、改憲すら狙う政権を持つ日本である。同じ侵略国だったドイツとは違う。武器供与に慎重であるべきなのは当然である。


ロシア非難決議に、れいわを除く全政党が賛成したことを非難する人たちがいる。ロシアの侵略戦争に反対の1点で賛同者を募るのは、議会制民主主義の一丁目一番地。自民や維新が賛同しているから誤りだというのは「左翼小児病」である。自民・維新が決議に賛成したことで、ネトウヨは力を弱めている。


ロシア非難決議に与党が賛成したことで、青年に影響力をもつユーチューブ視聴時のネトウヨ広告が、劇的に減少している。政府の官房機密費あたりが財源と推測される金をかけたネトウヨ広告が、一転してロシア侵略批判の政府筋広報などに圧倒されている。理性を取り戻したようで気持ちがいい。


ロシア兵の良心に訴える。国内では無差別な殺人が許されるのか。それは法律でも許されていない。では隣国に入ったら許されるのか。軍人なら許されるのか。それも違うことは知っているはず。「NATOの拡大」「ネオナチの支配」など、どんなことを聞かされても、無差別な殺人をしていい理由にはならない。


衆参でのロシア非難決議は、ロシアであれ、どの国であれ、侵略戦争に反対することが嫌いな自民党に「侵略戦争反対」と言わせたことにも意味がある。今後、自民党は「侵略の定義は定まっていない」(安倍晋三)とは言えないだろう。それが米国の圧力によるものだとしても。
(参照)ヒューマンライツ・ナウの2013年8月2日の声明「『侵略の定義は定まっていない』との日本政府の一連の発言に抗議する」


ロシア側がウクライナ側を非難する際に使われる「人間の盾」論。敵の攻撃目標の軍事施設に一般市民を連れて来て、攻撃を防ぐことだ。しかし、ロシア側は、一般市民のいる病院や住宅街などを無差別に攻撃している。病院や住宅街は軍事施設なのか。デタラメを言うべきでない。
(参照)ウクライナが人道回廊遮断、「人間の盾」も ロシア大統領報道官


侵略軍は他国に入って戦闘するのだから、相手国の軍民の区別がつかない。被侵略国の人たちは軍民と一体で自衛戦をせざるをえないからだ。ロシア軍がウクライナ側のたたかいを「人間の盾」と非難するのは、ロシア軍が侵略軍である証拠。日本軍も中国侵略で中国市民を「便衣隊」とみなして大量虐殺した。


国際司法裁判所の《ロシアに対する即時停戦命令》は、プーチン・ロシアを国際的に孤立させる。
澤藤統一郎の憲法日記


毎日新聞はこの国際司法裁判所の記事にわざわざ「実効性は低く」とサブ見出しを付けた。そのネトウヨなみの冷笑主義を憂う。「この即時停戦命令は法的拘束力を持ち、ロシアは従わなければならない」(澤藤氏)が国連憲章第94条の規定。侵略戦争阻止の本気度が問われている。


国連憲章第94条。「各国際連合加盟国は、自国が当事者であるいかなる事件においても、国際司法裁判所の裁判に従うことを約束する」
(参照)国連憲章


国連憲章は緊急の個別的集団的自衛権の行使(51条)を認め、国連総会決議は侵略の定義も明確にしている。「あらゆる戦争は自衛の名目で正当化される」と事実上、ウクライナの自衛戦争まで貶める、伊藤真弁護士は、いただけない。観念論である
(参照)当該の「しんぶん赤旗」の記事


X「あらゆる戦争は自衛の名目で正当化される」
→△「あらゆる侵略戦争は自衛の名目で正当化される」
→〇「多くの侵略戦争は自衛の名目で正当化される」


X「憲法9条のように、自衛の名においても他国への軍事侵攻を禁止しない限り、プーチン大統領のような戦争を望む為政者に対する歯止めにはならない」
→〇「国連憲章や国連決議などの国際法は、プーチン大統領のような侵略戦争を望む為政者に対する明確な歯止めになる」


大切なのは、戦争の実態を直視し「一国の軍隊による他国領域への侵入もしくは攻撃」(国連総会決議3314第3条)など、侵略かどうかをみきわめ、侵略戦争を国際的に糾弾し、正義を求める国際的世論で包囲することである。侵略と自衛を区別せず、戦争をする者すべてを非難するのはナンセンスである。


ウクライナ軍が、ロシア領内への侵入や攻撃ではなく、もっぱら自国内に侵入したロシア軍に対する攻撃に徹していることも、ウクライナの戦争が自衛のためであることを示している。ロシアの都市を反撃だとして攻撃していないところにも、ウクライナの自制を感じる。正義は明らかにウクライナの側にある。


プーチンは「国連なんてカンケーねー」と思っているかも知れないが、その他のロシア人、とりわけ政府首脳や軍幹部にも国際世論が影響を与え、その手を縛っていくことを期待する。そもそもロシア革命がそうだった。


鳥越俊太郎氏も、侵略戦争と自衛戦争の区別がつかない「戦争反対論者」だったのか。それにしてもゼレンスキー大統領演説を「紛争の一方の当事者の言い分」と断言し、プーチンと同列に置くとは、終わっている。
(参照)鳥越俊太郎氏、ゼレンスキー大統領の国会演説に猛反対「所詮紛争の当事者」「国民は許さない」


衆参両院の賛成多数で採決した「ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議」を改めて確認すべきである。「本院は、改めてウクライナ及びウクライナ国民と共にあることを表明する」。ゼレンスキー大統領の国会演説を歓迎したい。
①衆議院
https://shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/ketsugian/g20817003.htm
②参議院
https://sangiin.go.jp/japanese/gianjoho/ketsugi/208/220302.html


鳥越俊太郎氏が今回、こんな迷言をはいたことで、「あらゆる戦争に反対」論者の素性が知れてしまった。また、都知事選候補者だったときの、例の女性問題の真偽も、今回の件で納得した。そういう人だったのだ。


「マリウポリ降伏要求拒否」。昨日の「NHKニュース7」のトップ見出しを見て吹いた。停戦が実現できないのは、ロシアが一方的な侵略攻撃をやめないからではないのか。NHKはいつから侵略者の立場になったのか。と思っていたら、今日の毎日新聞2022年3月22日付1面の見出し「マリウポリ降伏拒否」にひきつる。


NHKのアナウンサーは「(ウクライナが降伏を拒否したことで)人道危機の深刻化が懸念される」とのべ、危機の原因がウクライナ側にあるかのように解説する。毎日も「人道危機が拡大する恐れ」と同調。倒錯もはなはだしい。人道危機はロシアの攻撃が原因。なぜ「ロシアが停戦拒否」と書けないのか。


ウクライナの降伏拒否を非難するために、先の大戦で日本がなかなか降伏せず、沖縄や広島・長崎の悲劇を招いたことを比喩であげる人がいる。被侵略国の降伏拒否と、侵略国の降伏拒否を同列に論じることほど、倒錯した議論はない。善意かもしれないけど、被侵略国の人々からすると残酷な議論である。


普通に考えれば、ロシアがなかなか降伏(侵略の非を認め停戦すること)に応じないから、ウクライナの人道危機が深刻化するのである。その意味なら、先の大戦で日本が降伏になかなか応じなかった例が適切な比喩になる。広島の悲劇を、ウクライナ降伏拒否への非難に使うのは、広島出身者として許せない。


先の大戦で日本が、国際連盟の勧告や国際的な経済制裁などにもかかわらず、中国侵略をやめず、降伏を拒否し続けたから、南京大虐殺などの人道危機に至った。その延長線上に沖縄や広島・長崎などの人道危機がある。人道危機の回避を名目に、被侵略国に降伏を説くのは偽善であり、侵略者の発想である。


ゼレンスキー大統領の日本での演説の動画。衆議院のホームページから。すばらしい。全力でウクライナを支援したい。ロシアは侵略をすぐにやめよ。
(参照)衆議院TVインターネット審議中継


侵略戦争と自衛戦争を区別する、良心的な討論番組である。歴史を戦前に戻す自民党の改憲案は論外だが、将来の民主的改憲案としては私は野間さんの考えに近い。専守防衛の軍隊を持つには、まず過去のアジア侵略と植民地支配を反省し、その象徴である天皇条項の全廃が大前提だ。
(参照)#NoHateTV Vol.163 - 平和に生きる権利


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