◎「さようなら原発」集会に6万人――「技術が進めば安全な原発は可能か」、内橋さんが「新たな原発安全神話」を批判
脱原発の署名を進める「1千万人署名市民の会」は19日、東京都新宿区の明治公園で、「さようなら原発5万人集会」を開き、目標を大きく超える6万人が参加しました。
集会では、呼びかけ人の鎌田慧さん(ルポライター)や大江健三郎さん(作家)、内橋克人さん(経済評論家)、落合恵子さん(作家)、澤地久枝さん(作家)が発言。また、ゲストのフーベルト・ヴァイガーさん(ドイツの環境団体代表)や山本太郎さん(俳優)、武藤類子さん(福島の市民団体代表)があいさつしました。
その中で内橋さんは、新しい「原発安全神話」の台頭を警告。技術が発展すれば、安全な原発は可能であるとして、原発を持ち続けようとする動きについて、「私たちの国が核武装する潜在力を持ち続けようという政治的意図がある」と厳しく批判しました。
大江さんは、「狂気によって成される事業は、かならず荒廃と犠牲を伴う」とのべ、原子力によるエネルギーに依存することの危険性を告発しました。
また、落合さんは「放射性廃棄物の処理能力も持たない人間が原発を持つことの罪深さ」を強調。原発と核兵器がなくなるゴールに向け、「暴力に対して非暴力を貫き」、歩き続けようと訴えました。
反原発を訴えた発言でテレビ出演を降ろされたといわれる山本さんは、「テレビ・新聞で本当のことは、ほとんど流れない」と、メディアを批判。「一番必要なのは市民の力なんですよ」とのべ、政治家に圧力をかける必要性を強調。また、放射能の高濃度汚染地域からの住民の「サテライト疎開」(学校という単位を崩さない避難)と「原発のいっせい停止」の実現を訴えました。
(経済ジャーナリスト・今田真人=2011年9月19日記)
〈別項〉
@鎌田慧さんの発言全文。
A大江健三郎さんの発言全文。
B内橋克人さんの発言全文。
C落合恵子さんの発言全文。
D澤地久枝さんの発言全文。
E山本太郎さんの発言全文。
集会のあと、パレードの先頭に立つ呼びかけ人ら(左から、内橋さん、山本さん、落合さん)=19日、東京・明治公園
☆さようなら原発5万人集会(2011年9月19日、東京・明治公園)の写真特集は、下線のあるこの見出しをクリックすれば、見ることができます。