「我が国漁業を守れ!」「燃油高騰対策の実現を!」
全漁連の全国漁業代表者集会に2000人超
「我が国漁業の存続を求める全国漁業代表者集会」が2013年5月29日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で開かれ、全国の漁師・漁業関係者ら2000人を超える人たちが集まりました。全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)が主催したものです。
JF全漁連会長の服部郁弘さんが主催者あいさつ。「円安によってもたらされた燃油価格や養殖用飼料の急騰によって、漁業・養殖業者が廃業にまで追い込まれることは許されるものではありません」とのべ、政府や与党、国民に緊急対策の実現を求めました。
漁業者の代表3人が意見を表明。
青森県の小型イカ釣り漁業者の三國優さん(青森県小いか協会長)は「夜のイカ釣りは、集魚灯でイカを集めて獲ります。コストの中で油代が3割〜4割を占める我々にとって、燃油高騰は致命的な問題であります」と訴えました。
兵庫県の沖合底びき網漁業者の吉岡修一さん(全底連会長)は「このような燃油価格の高騰が続けば、漁を休んだ方がまし、ではありませんか」「漁業の火を、何としても消してはならない」とのべ、さらなる国の対策・支援を求めました。
宮崎県の近海かつお一本釣り漁業者の渡邊義一さん(JF南郷)は、30数年前までは全国で300隻超の同業者がいたのに、いまは60隻になっている魚価安・燃油高騰などの厳しい経営環境を指摘。「いまの漁業環境では国民のみなさんに新鮮なカツオを提供する使命を全うすることができなくなり、伝統漁法の灯が消えてしまうのではないかと不安だらけである」と訴えました。
集会には、与党議員が約80人出席。自民党衆院議員の大島理森さんと公明党衆院議員・幹事長の井上義久さんが「与党所信表明」を行いました。
参加者は集会後、国会までデモ行進しました。
(経済ジャーナリスト・今田真人=2013年5月29日記)
全国漁業代表者集会集会=2013年5月29日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂
「漁に出たい!」というゼッケンをつける参加者ら=2013年5月29日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂
「国は我が国漁業を守れ!」などのシュプレヒコールをする参加者=2013年5月29日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂
集会後、国会に向け、デモ行進に出発する参加者=2013年5月29日、東京都千代田区の日比谷公園出口付近
☆この集会は、ビデオカメラでも取材・撮影。以下のユーチューブを視聴ください。
◎パート1(集会に参加した千葉県の漁業者のインタビュー)
◎パート2(集会に参加した徳島県の漁業者のインタビュー)
◎パート3(服部郁弘JF全漁連会長の主催者あいさつ)
◎パート4(青森県の小型イカ釣り漁業者で青森県小いか協会長の三國優さんの意見表明)
◎パート5(兵庫県の沖合底引き網漁業者で全底連会長の吉岡修一さんの意見表明)
◎パート6(宮崎県の近海かつお一本釣り漁業者の渡邊儀一さんの意見表明)
◎パート7(「我が国漁業の存続対策を求める決議(案)」の朗読と拍手での決議)
◎パート8(自民党衆院議員の大島理森さんの与党所信表明)
◎パート9(公明党衆院議員・党幹事長の井上義久さんの与党所信表明)
◎パート10(集会後、国会に向けデモ行進する参加者)
☆(参考記事)連載リポート「イカ漁いっせい休業と『イカ調整品』の輸入増加」
(連載各回へのリンク)
連載@国内漁獲量が3分の1に
連載A「がんばっていて赤字というのはつらい」と漁師
連載B卸売価格が暴落
連載C輸入割当の効果と限界
連載D「〇〇うどん」の「イカ天」